林順次『残念な教員 学校教育の失敗学』自己研鑽をする気持ちが沸き起こる本です。【オススメの本】

教員になるのはそんなに難しいことじゃないです。
そこそこ真面目で、ちゃんと大学に行き、ある程度勉強すれば免許は取れちゃいますから。

私がやっている塾の先生は教員よりももっと簡単になれる。
塾で働くか、役所に塾として届け出れば、誰でも、免許がなくとも、その日から塾の先生。

でも、「良い教員」になるのは、教員になるのに比べて、何倍も何倍も何倍も大変なことです。
「良い教員」の定義が曖昧だし。

自称良い教員はたくさんいますけどね。
自分の中学校、高校時代の経験だけをもって、全て分かったみたいな勘違いしている先生って何回もみたことあります。

そういう俺も客観的に見ると勘違いしちゃったりしてるかもしれない。

学校の先生、塾の先生、教える人は誰でも「自分なんかが教えていいのだろうか」という葛藤を抱いているでしょう。
というよりも、そういう感情を抱かずに「教員が僕の天職です!」なんていう人はかなり危険な気がします。

林順次『残念な教員 学校教育の失敗学』は葛藤を抱える先生にこそ読んでほしいなと思える本でした。

まず、筆者自身の教育に対する情熱が半端じゃないですから。

こういう先生に教わりたいなと思えます。

実は教員って、あまり他の教員のことを見る機会ってないんですよね。
同じ時間に仕事をしていますからね。

他の先生の仕事を見るっていう意味でも参考になります。

こだわりが強い筆者なので、押し付けられている感を覚える人もいるかもしれませんが、私はあまり気になりませんでした。
賛同できるところとできないところがあっていいと思います。

著者による本書の説明を引用すると

「残念な教員」とは、ニュースネタになるような破廉恥教員のことではない。もちろん、彼らも「残念」ではあるが、教育界全体から見ればごく一部に過ぎず、どちらかといえば個人の資質の問題とも言えるだろう。/本書で言う「残念」な教員とは、そもそも本業での「教え方を知らない」、その結果「生徒を成長させられない」教員のことである。実はこのタイプの教員が、学校教育現場の8割を占めているのだ。その証拠に、今でも多くの生徒が塾や予備校に通っている。/本書は、「残念な教員」を量産し続ける学校教育現場の「失敗のしくみ」を踏まえ、過去の教育実践の蓄積と筆者自身の取り組みをベースに。未熟教員と生徒をともに成長させる方法を提示する。

教育現場の現状分析と、その原因を述べ、その後自身の体験を踏まえて、個人としてどうしていくべきかを提示しています。
私が特に考えさせられたのは、本書の中にある「教育に遅効性などない」っていうところでした。

「この教えが後々効いてくるんだよ」っていう隠れ方やめようよっていう話なんですけど、自分も、いつか気がついてくれるだろうなんて茫洋とした指導していないか、内省しましたね。

林順次さん個人の教育に対する熱に触れるだけでも、大きな価値があるし、それらをどう捉えるかは「教える人」としての方向性を決めることにもなるんじゃないかなと思いました。

ではまた!