個人塾は工夫の幅が広い、ゆえに線引きが難しい【個人塾経営にっき】

個人塾は塾長の色が強く出ることは言うまでもありません。
私は個人塾を開業してこのことを痛感します。
大手塾なら、室長が教室のトップですが、あくまでブランド中の自由しかありませんから、大した特徴は出せません。
変なことをやるとクビになる可能性だってありますから、自分の考えだけで行動する講師は少ないです。
個人塾の場合、クビというのはありません。
思った通りなんでもできるんです。
ただ、「なんでもできる」って怖いことだと思います。
思い通りにやった結果が全て良いこととは限りません。
今日はこのことに対する私の考えを書いて見たいと思います。
自分を客観的に見続けなければいけない
塾を経営していると、注意してくれる人が誰もいません。
塾長の行動を見ているのは、生徒です。
生徒はまだ子供ですから、大人に注意するなんてことには滅多になりません。
だんだん慣れてくると自分が当初思っていたよりも気が抜けていたなんてこともあり得ると思います。
私も反省しなければならないことがあります…
いつも教室を13時に開けているのですが、その時間に生徒が来ることはまずないんです。
だから、ちょっと気を抜いて14時くらいに開けて見たんですよね…
そしたら、三者面談期間で早帰りだった中3が来ていたんです。
やる気で来てくれている生徒がいるのに、先生がいないなんて可哀想です。
反省します。ごめんなさい。
他にも、行事予定表を張り替えるのを忘れていたり、色々気が抜けているところがありました。
大手塾なら、自分の役割をこなしていなければ評価が下がります。
職場の人間が監視役なんですよね。
自分で自分を監視するのは、簡単なことではありません。
特徴のある塾は生徒を選ぶ
個人塾は特徴が強く、それが肯定的に受け入れられることも多いです。
しかし、特徴が強いということは、馴染めない生徒も出てくるということです。
もちろんこれは悪いことではありません。
個人塾は、大手塾に比べてランニングコストが低いため、ターゲットを絞った経営でもうまくいくことが多いでしょう。
ただ、ここに自覚的であることは重要だと思います。
「ターゲットを絞っている意識で特徴を出す」のと、「特徴が出てしまっている」のは違うということです。
ターゲットを絞っている場合は、そのターゲットの生徒には大きな価値を提供しなければなりませんし、それができる自信があるということです。
ターゲットを絞るつもりがないのに、絞られてしまっている場合は、単純に耐えられる生徒が残っているだけにすぎません。
私は田舎に塾を開業する上で、「特徴がない」ということを特徴にしようと考えました。
なぜなら、田舎にはもともと大きな塾はなくて、ターゲットを絞り込むことでのメリットがあまり感じられなかったからです。
もし私がこれからモンスター塾長と化して、職権を乱用しすぎれば、もともと掲げていた「特徴がない」という特徴を手放すことになります。
ですから、私は人一倍気をつけなければいけないんです。
生徒とどこまで距離を取るか
これって塾長は結構難しいんですよね。
私は大手塾出身なので、授業中の軽い下ネタとか言えません。
コンプライアンス的なものを意識してしまいます。
でも、塾を開業してから、明らかに以前よりは距離が近くなりました。
例えばこないだは、塾の終わりに昨年家庭教師で教えていた高校生から、親がこられないから家まで乗せてくれと言われて乗せて帰りました。
大手塾時代ならありえません。
ただ、私は私自身のことなので、生徒に変なことしないと分かっています。
もし人を雇うことになったら、信頼している職員にしかそういうことはさせないでしょうね。
大手塾は様々な人間がいますから、生徒との距離をしっかり取らせる必要があるということです。
生徒と私的に会ったりしてクビになった講師を私はたくさん見てきました。
規模が小さい間は大丈夫でも、大きくなってくると危ないということだと思います。
あくまでも人間対人間
講師の中には、卒業した生徒とは会いたくない!という人がいます。
生徒の前だけでの「先生像」を作り上げているんだと思います。
それはそれでいいと思うのですが、私はあくまで素の自分でいきたいと思っています。
お互い人間ですから、足りないところはある。
それを踏まえて、作り上げた「先生像」ではないところで生徒と関わりたいんです。
そうなると、大手塾の先生よりは近い存在になってくるのかなと思います。
ただ、卒業生から毎日のようにラインで相談が来るようでは困ります。
あくまで、困った時に頼りにしたい人という絶妙な線引きが必要なのだと思います。
まとめ
生徒と講師の線引きは、非常に難しく重要なものです。
あくまで友達ではありませんし、舐められるようでは最悪です。
最適な距離感を探りながら運営してくことが大切ですね。
ではまた!