田舎の高校受験「首都圏との格差は凄まじい」のが現実です。【学習塾経営にっき】

先日、当塾の生徒が「進路の手引き」を持って来ました。
中学校で行われた保護者会でもらったようなのですが、詳しく入試制度や進路の説明がされていました。

学校の先生方は忙しい中、素晴らしい冊子を渡してくれるなーと感心しながら見ていると、その中に「平成27年度 3学年進路状況」というページを見つけました。
現在の高校1年生、昨年の中学校3年生の進路一覧なのですが、なかなか衝撃的な内容でした。

この記事は、学校の先生を批判する目的でもなければ、生徒を批判する目的でもありません。
ただ、田舎の進路状況に横たわっている事実を伝えたいという思いから書いています。
勉強不足の面もあるかもしれませんので、私に欠けている視点があったらツイッターやお問い合わせからコメントいただきたいです。

卒業後の進路

その資料によれば、当塾の近隣中学校の卒業生、約80名のうち40名以上が「柴田農林川崎高校」か「村田高校」に進学しています。

私はどちらの県立高校も、決してダメというつもりはありません。
ただ疑問なのは、生徒たちの「選択」の結果なのかということなんです。

高校というのは、そもそも義務教育ではありません。
「行かない」という選択をすることもできます。

上記の高等学校2校は、入って来た生徒のレベルに合わせ、しっかり授業をやってくれます。
ただし、大学への進学実績は決して高くありません。

「柴田農林川崎高校」から大学に進学した人数は17人中2人です。(これが一学年の人数です)
「村田高校」から大学に進学した人数は113人中8人です。
※2016年現在

もちろん、大学に進学するのが全てではありません。
もはや大学に行けば就職できるという時代は終わりつつあります。

ただ、大学進学をしないと決めている生徒がこんなにいるのか疑問です。

少なくとも、「大学に進学したい」と考えている生徒には不向きな学校であることは間違いありません。

「大学受験は自分次第」は本当か?

確かに、大学入試は高校がどこなのかを問いません。
東京大学でも、本人の努力次第で行くことができます。

ただ、環境はとても大切です。

本人が本当に行きたければどんな環境でも勉強するはず。というのは大人の過度な期待だと思います。
周囲に進学の意識が高い友達がいるかどうかは、学力を大きく左右するし、それによって大学進学の可能性が高まることは間違いありません。

わざわざ苦労する道を選ぶ理由はないんです。
努力の後払いみたいなもので、返済が間に合わない可能性だって十分あるんです。

そうなってからお前の意思が弱いからだ!なんて言ってしまったら、心がポッキリ折れてしまいます。

少しでも大学進学の可能性を残したいならば、進学する同級生が多い環境を選ぶべきでしょう。

本当に「選んだ高校」なのか?

子供はあくまで子供です。
前提として、まだ成熟していません

子供の判断は、ときに誤った方に向くことがあります。
大人はこれを正してあげることが役割の一つです。

どこまでが自由で、どこから口を出すかの判断は難しいところですが、少なくとも「話し合う」ことは必要になります。

親が反対しても、押し通す意思があるなら子供は勝手にやります。
手足を縛っておくわけにはいかないんですから。

もし納得したら、それに従います。
喧嘩になるかもしれませんが、それが自立の一歩目かもしれません。

高校の選択が「話し合い」の結果なのかどうかが大事なんです。
「子供が行きたいと言ったから、それを尊重しました」は一見素敵に聞こえます。
でも、子供って楽な方を選んだりしますよ。
先のことそんなに考えていなかったりしますよ。

その選択って本当に大丈夫?っていう「話し合い」がなされないといけません。

子供と話していると、大学に行きたいって言う子が多いです。
大学がどんなところか話を聞けば行きたくなる子もいるかもしれません。
高校受験でもいろんな学校の情報を知れば、別の選択をした子もしれません。

学校を「選択」する機会を作る必要があると思うんです。

場所の問題は確かにある

高校選びには、通学時間というのが大きく関わっていることは言うまでもありません。
宮城県川崎町の場合、徒歩・自転車で行ける圏内には「柴田農林川崎高校」しかありません。

他の学校なら必ずバスに乗ることになります。

バスに乗るなら、そこから20分乗るのか30分乗るのか40分乗るのかはあまり大きな違いではありません。

仙台には鉄道がありますし、首都圏も同様です。
首都圏のように、県をまたいで通学することはできなくても、同じ県の中で1時間くらいの通学時間はごく普通のことです。

ただ、必ず送り迎えが必要な場合は少し難しいのかもしれません。
田舎のネックな部分だと思います。

結果を出すことが大事だ

私は田舎の出身です。
田舎で育ちました。
田舎の役に立ちたいと考えています。

田舎に塾を作ったのも、そういう理由があります。
もちろんボランティアをするつもりはありません。

それでは、私が死んだ後に続きませんし。

今年、来年としっかりうちに通ってくれた生徒に結果を出したい。
もちろん、私が結果を出すのではなく、生徒が出すんですけど。

だから、結果の出せる環境を整えたい。と言うのが正しいですかね。
そうしないと、やっぱり田舎はダメだ。ってことになってしまうように思います。
(学力面に限定してね)

田舎にも勉強している子はいる

実は「仙台二高」に合格している生徒が1名いるんです。
ちなみに「仙台二高」とは宮城県でダントツトップの高校です。
これって本当にすごいことですよね。

心から祝福します。

ただし、こういう生徒の一例を持ち出して、田舎からでも全然大丈夫!自分次第だし!みたいに捉えるのは間違っています。

特例を見つけて、あたかも万事大丈夫かのように扱うと、他の子供がかわいそうです。
それだと、まるで他の子供たちが、仙台の子供たちに比べて圧倒的に努力が足りていないかのようです。

私にとって、田舎の子供たちが、そのように見られるのは大変残念です。
もし、小学生のとき、隣に青陵中学校を受験する子供がいたら、勉強が大事だってことに早く気がついたかもしれません。
環境が学力に与える影響はとても大きいんです。

それを周囲の大人が自覚し、サポートしてあげないといけません。

田舎の進学実績は改善されるのか?

田舎の進学実績を変えることが、めちゃめちゃ難しいことなのは分かっています。
私は田舎に学習塾を開業しましたが、川崎町のすべての生徒に作用できるなんて思っていません

ただ、私の塾に来てくれた生徒にはできるだけいろんな視点を見せてあげたいなと思います。

例えば、私の塾の中3の志望校として、最も多いのは「仙台西高校」です。
これは昨年の近隣中学校の3年生からは3人しか合格していません。
今年それが増えるならば、一つの成果なのかなと思います。

今は、中学校3年生の18%がうちの塾に通ってくれている状況ですから、18%分の作用ができる状態です。
なんとか少しは役に立てるかもしれません。

受験が終わる頃には、役に立てたと胸を張れるものにしたいものです。

終わりに

未だに悩みます。
田舎に塾を作って、子供たちの未来が少しでも拓けるための手伝いをしたい!なんて言いながら、本当は自己満足なのかもしれません。
塾長って名乗って良い気になっているのかもしれない。
塾の先輩から見れば、塾ごっこなんてやめちまえって思われているのかもしれません。

川崎町の人にも、なんだ田舎で塾やって金儲けしようとしてんのか!なんて思われているかもしれない。
若造がしゃしゃり出てなんかやってるぞくらいに思われているかもしれない。

でも、今はそれでいいと思っています。
結果で見返すしかないですから。

最初に信用がないのは当たり前ですもんね。
どうせ役に立たないなら、行動して役に立たないこと実感したいと思います。

多分、笑われるのが恥ずかしくて、怪しいと思われるのが嫌で、何も行動できないよりはだいぶマシだから。

ではまた!