前に働いていた大手塾の先輩から連絡がありました。
その中で「俺も今度FC(フランチャイズ)に加盟して開業しようと思う」という話が出ました。
私が開業するときは、FCに加盟するというのは全く考えませんでした。
多分開業している場所的にNGになると思います。
仮に大丈夫でも、ロイヤリティー取られながらやったら会社員とあんまり変わらないんじゃないかと思ってしまいます。
でも、確かに競合の多い都内で開業を考えたらそういう選択肢もありなのかもしれません。
今日はFC加盟と自力開業に関して、私が考えていることをまとめてみます。
FCの利点はノウハウに尽きる
もし私が今から飲食店を開こうを思ったらFCを考えるでしょう。
なぜなら、飲食業界ではアルバイトの経験さえも私にはないからです。
全く未経験の業界でも、例えばここにラーメン屋あったら絶対流行るよなー!みたいな判断はできますよね。
そういう時は、FCに加盟して開業するのも一つの選択肢だと思います。
ロイヤリティーは取られますが、経験を補ってくれると考えれば妥当です。
でも、業界で5年働いたとかいう経験をすでに持っているなら、ロイヤリティーを払う意味は薄れるのかなと思います。
同じ業界でわざわざ会社辞めて開業するのに、その先でも縛られているのはちょっと変な感じです。
すでにノウハウは持っているわけですし、何年も働いてノウハウが得られないなら、そもそも向いていません。
同じ業界で独立を考えるときに、FCという選択があまりないということは、FCって「業界素人でも大丈夫!ノウハウを伝えるから」っていうのが宣伝文句なのが分かると思います。
すでにノウハウを持っていると自負している人は、FC加盟はあまり考えなくても良いと思います。
FCの決定的な矛盾
FCって大きな矛盾を抱えているんです。
誰でも気がつくことなんですけど「儲かるなら自分でやれば?」っていう矛盾です。
だって、ロイヤリティーを取るなんてことをせずに、儲かる確信があるなら、自分の傘下でやって多くの利益を得た方が良いです。
ではなぜFCという形にしているのかと言えば、「リスクを分散したい」からに他なりません。
FCのオーナーは社員ではありませんから、自分で倒産のリスクを負っています。
社員にすると、なかなかクビにはできませんし、社員の責任も会社が背負わなければいけませんから、大変なんですよね。
例えば、100万円をコストに300万売り上げるビジネスがあったとします。
利益をもっと増やしたければ、資本を増やして売り上げを増やすことになります。
「1000万円で3000万の売り上げ」「1億で3億の売り上げ」「10億で30億の売り上げ」…このようになります。
しかし、ここに問題があるんです。
資本を増やしていくたび、社員を雇い、お金を借り入れ、設備を増やしていきます。
実はこれらのことは、商品が売れなくなった時のリスクを増やしていることと同じです。
一度雇った社員はそう簡単にクビにはできません。
設備も買ったときよりは安くなってしまいます。
だったら、一つ一つの小売店にリスクを分散してしまおう!というのがFCの発想です。
しかも、資本をオーナー希望の人が持ってきてくれます。
資本は小さく、利益は大きくできるわけです。
これらのことはFCオーナーにとって悪い話ばかりではありません。
ノウハウは手に入るし、ロイヤリティーを支払った上で余ったお金は自分のものになります。
普通の会社員ではあり得ないことですから、責任が重いのも仕方がありません。
FCに加盟するメリットは無くなりつつある
上記の通り、FCを考える上で軸になるのはノウハウの問題です。
しかし、そのメリットは昔よりも薄くなっているように思います。
インターネットの時代です。
目に見えるノウハウは情報として流れまくっています。
会計、マーケティング、味、立地など、様々な情報はFCに加盟せずとも分かります。
私も、会計など全くわかりませんでしたが、クラウドで会計を管理していて、全く問題なく運用できています。
マーケティングも困ったらクラウドソーシングすれば質の高いものを作ってくれます。
私が学習塾のフランチャイズに加盟してどんな得があるんだろうと考えてしまいます。
(そもそも私では加盟させてもらえないと思いますけど笑)
FCに加盟したら、ロイヤリティーが取られるわけで、そうなるとランニングコストも高くなってしまいます。
ランニングコストをどうやって抑えるかに執着してやっているので、完全な無駄に思えてしまいます。
「全く未経験の業態で開業するなら考えるかな」程度ですね。
でも結局、未経験のところでも自力開業すると思います。
FCに求めるものは「目に見えないノウハウ」
それでもFCに加盟したいと思えるとしたら、見えないノウハウといいますか…
加盟しないと得られない「何か」があるときだと思います。
私は現在の学習塾FCからは全くそれを感じません。
加盟してみたらあるのかもしれませんけど…多分ないです。
例えば、マクドナルドなんかだったらちょっとだけ考えるかもしれません。
一時期の勢いは失われたものの、「食べる+楽しい」という加盟しないと表現できない何かを感じるからです。
真似できない何かがあるように感じるんです。
この「真似できない」がとても大切なんじゃないかと思います。
最近はインターネットの影響で真似が簡単にできます。
私も真似できるところを思いっきり真似します。
それは裏を返せば、真似られるということです。
ですから「真似できないこと」は貴重な財産です。
孫正義さんの名言的なものに
「金もいらん!名誉もいらん!そんな人間に勝てる奴はおらん!」
ってのがあります。
確かにこれには勝てないです。
口ではいくら言えても、本当に実行できる人はなかなかいませんよね。
真似できないことをやる人が強い人なんだと思います。
まとめ
FCのメリットは無くなってきているなと思いました。
特に、経験したことのある領域でFCに加盟するのは、よほど「見えない価値」を持つFCでなければ意味がありません。
インターネットで情報を拾える時代ですから、できないと思い込まず、自分でやる前提で話を進め、ダメならFCを考えた方が良いと思います。
私の塾にも「真似できない何か」を作れるように頑張らなきゃいけないですね。
ではまた!